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言語聴覚士の役割って?
・言語聴覚士(ST)とは
Speech Language Hearing Therapistの略で、言葉によるコミュニケーションや食べることなどを通して、自分らしい生活を過ごせるように支援するリハビリの専門職です。
- 言葉の理解と表出(読み書きも含む)
- ソーシャルスキルトレーニング
- 発音
- ご飯を噛む・飲み込むこと
- 集団行動への参加、成功体験
以上のことを実施し、人とコミュニケーションを図る力を育んでいきます。
・発達に対しての言語聴覚士の役割
小さなお子様の場合は、まず遊びを通して「人と遊んだら楽しい・もっと関わりたい」という気持ちや「自分の思いを伝えたい」という気持ちを育みます。そして、お子様に応じた表現方法で、「伝わった!」「もっと伝えたい!」という経験をたくさん積み重ねてもらい、お子様のコミュニケーションが豊かになることを目指します。
また、たくさん話すことはできるが、相手の話を聞くことが難しいお子様や一方的に話し続けてしまうお子様、感情理解と表現が難しいお子様など、年齢やお困り事に応じて様々な遊びを通してアプローチさせていただきます。
<一例>
大人の腕を引っ張って要求を伝える → 身体遊び・玩具
理解はしているけど、言葉を話さない → 手遊び歌・パズル・絵本
順番交代に話すのが苦手 → しりとり・スゴロク
発音が分かりにくい → チョコをなめる・口の体操
上記以外にも、大人を見ながら笑って逃げる・物を投げるなど危ない行動をするお子様に対して、どのようにして大人を呼んだらいいのか・助けを求めたらいいのかということも練習していきます。正しい誘い方や助けの求め方を学ぶことで褒められることが増え、お子様の自信にも繋がります。
・コミュニケーションの土台
言葉を話す力の土台には、
・“人と一緒に遊んだら楽しい”という経験がある
・何かしらの手段で表現したら、相手に想いが伝わった!
・褒められて嬉しい気持ちになって、もっと褒められたい!
などがあり、私たちもこの土台があるから様々なコミュニケーション手段を使って、会話をしています。
私たち大人も言葉を話すだけでなく、ジェスチャー・カード・文字・アイコンタクト・表情など様々なコミュニケーション手段を使っていると思います。
ST訓練では、コミュニケーションの土台を育めるような関わり方を実施し、保護者の方にもお伝えしています。
・感情面にも介入
遊び終えるタイミングやゲーム遊び中に感情表現をコントロールすることが苦手なお子様がいらっしゃいます。そのようなお子様にも次の活動が分かりやすいような関わり方や感情の理解力と表現力が伸びるような関わり方のご提案をさせていただきます。
~最後に~
言語訓練と聞くと、具体的に何をするのかわかりづらいと思いますが、上記のような介入により、コミュニケーションの楽しさを知ってもらい、言葉や気持ちの理解を育みます。
その結果、子供たちの言語理解力や表現力、集団への参加、共感性の芽生え、自己肯定感の獲得に繋がっていきます。
言語訓練に対しての質問や、言語訓練を行わないが危ない行動についての相談や体験などは随時受け付けております。
子供たちとその保護者の方たちが、楽しんで生活できるよう共に考えて、お手伝いできればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。